TOP > ベッドスタイルコラム > 睡眠を知って、睡眠を得る > アルコールと不眠(その1)
よくアルコールを飲むと眠くなりますが、それは何故でしょうか?
飲んだお酒の一部が脳に到達し、私たちの脳の脳幹網様体賦活系というところに
働くからです。アルコールは、人を覚醒させる働きのある脳幹網様体賦活系を抑
制しますので眠くなります。
言い換えればアルコールによって寝付きが良くなります。
また、眠った場合には深い睡眠でよく眠れた実感しながらベッドから起き上がる
事が出来ます。
夢と深い関係がある「レム睡眠」は飲酒する量によってその出方が違い、少量で
すと前半の睡眠には出現率が低くなり、後半には多くなります。
大量にお酒を飲むと、レム睡眠はアルコールによって抑制されます。
アルコールによる脳の抑制が続きますと、脳は何とかそれを抑制されないように
と一生懸命働きます。これが「耐性の増加」という現象で、耐性が出来てから何
らかの理由でアルコールを飲めない時があると、一時的に不眠になってしまいま
す。また、この不眠は摂取するアルコール量が多い人ほど重症で悪夢も見るよう
になります。
またもっと症状がひどい、「アルコール依存症」にかかっている場合は「振戦せ
ん妄」という症状も現れます。「せん妄」とは、注意と認知の障害を伴う軽度の
意識低下のことです。
振戦せん妄にいったん陥ると発汗や頻脈、発熱、手指の振戦、不眠、幻覚や錯覚、
興奮、不安などが見られます。この症状は人によっては2~3日続く不眠の離脱症
状として現れることもあります。