TOP > ベッドスタイルコラム > ベッドと私の楽しい生活 > 兄妹のかまくら作りとロフトベッド
こどもは風の子…といいますが、確かにその通りです。
20センチほど降り積もった雪の中で、お向かいの兄妹が動き回っています。
ジャンパーを着て、長靴をはいて、スコップを手に持っています。
お兄ちゃんの方は、ジャンパーもズボンも長靴も青で、妹はピンクです。
白銀の世界の中で、小学4年生と1年生の青とピンクだけが、動き回っていました。
そんなカラフルな世界を、私はベッドの上から眺めていました。
私の部屋は、2階にあります。
ベッドはロフトで、いつも机や本棚の上で、眠っているのです。
そのロフトベッドは、大きな出窓のそばに置いてあるので、寝転びながらカーテンを
開けると、外が一望できます。
でも幾ら下から見上げても、私の寝姿が、誰かに見られるということはありません。
それでも、まあ、何処かの2階から見ていないとも限らないので、あまり大きくカーテンは
開きません。
ほんの20センチほどの隙間から、私はまっ白な世界を眺めていました。
初め、その兄妹は、雪を積み上げて、小さな傾斜を作っていました。
滑り台を作ると、プラスチックのそりを持ちだしてきて、その傾斜を、滑り下りていました。
しかし飽きてきたのか、今度は、積み上げた雪を、どんどん増やし始めました。
そうして、1メートルほどになったところで、穴をくりぬき始めたのです。
しかし、雪が固まっていないのか、穴が大きくなり始めると、どさりっ、と、屋根が
落ちてしまいます。
何度も何度も、兄妹はくり返していました。それでも、そのうち雪が固まってきたのか、
穴が大きくなっても、屋根は落ちてこなくなりました。
お兄ちゃんの方が、雪をかき出して、妹が、それを心配そうに見ていました。
私も何だか心配になってきて、ベッドの上で起き上がって、その様子を眺めていました。
ようやく2人が入れるぐらい、穴が大きくなりました。
青とピンクが、まっ白な、かまくらの中に、恐る恐る入っていきます。
身体を縮ませて、じっとしています。
その様子があまりにも微笑ましいのと、かまくらの完成が嬉しかったので、私は思わずベッドの上で拍手をしてしまいました。