二段ベッドの上の段で眠る夢を叶えて

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ベッドと私の楽しい関係

二段ベッドの上の段で眠る夢を叶えて

私が小学生になったときから、兄と私は、その二段ベッドで眠り始めました。
兄は6年生で、私は1年生でした。

勿論、兄が上の段で、私は下の段でした。
上の段は高いから危ない…というのが、両親が私にいう理由でした。

しかし私は、小学1年生のときから、ずっと、上の段で眠りたい…そう思っていました。
それは、ある意味、私の夢でした。

2年生になっても、3年生になっても、私はそう願い続けました。
兄は中学生になり、そうしてようやく、私たちは別々の部屋で眠るようになりました。

すると両親は、その二段ベッドを、別々にしたのです。

つまり、上の段は、兄の部屋に持っていき、下の段はそのまま、私の部屋に置いておくことに
なったのでした。

二段ベッドの上の段で眠りたいという…私の長年の夢は、ついに叶えられないまま終わって
しまいました。

そのときの私の悲しみといったら、言葉にしようもありません。
それほど辛く、悲しかったことを覚えています。

しかし、人間というものは都合の良い生き物で、そんなことはいつの間にか忘れてしまいます。
そうして、月日は流れました。

私は結婚をして、2人の子どもに恵まれました。

その子ども達が、小学生になり、3年生と1年になったときに、わが家でも二段ベッドを
購入しました。

勿論、上の段は3年生のお兄ちゃんで、下の段が、1年生の妹です。
2人は、とても仲良しでした。

お兄ちゃんは妹思いで、妹は、お兄ちゃん思いだったのです。
でも、時どき妹は、羨ましそうに、二段ベッドの上を眺めていました。

それは、昔の私と、同じ眼の色でした。
だから私は、お兄ちゃんがいない日曜日、二段ベッドの上の段に上がりました。

1年生の娘を呼んで、一緒に寝転んでみました。
「どう?」と訊いてみると、娘は目を輝かせています。

天井を見て、それから、私の方を見ました。
「私ね、二段ベッドの上で眠るのが夢だったの」本当に嬉しそうで、幸せそうでした。

その午後、私と娘は、二段ベッドの上の段で、ぐっすりと眠りました。
2人の夢を叶えることができた二段ベッドも、何だか嬉しそうでした。

2012年2月21日 / タグ:[ , , ]