映画『私がクマにキレた理由』(その1)

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映画『私がクマにキレた理由』(その1)

ここ数年、世界的な不況もあってか「就活」が映画のテーマに選ばれることが少なくありません。『私がクマにキレた理由』もその一つ。自分が何を求めているかが分からずに悩む新卒女子アニー(スカーレット・ヨハンソン)が、ある仕事を通して学び、成長する物語です。

ある仕事とは、NYの高級住宅街でのナニー(子守り)の仕事です。アニーに大企業から認められる資質はなくとも、子育てにお手上げのリッチなマダム達からはラブ・コールの嵐。期待に胸を膨らませて、ある邸宅でのナニーの仕事を引き受けます。

たどり着いた先はNYの高級アパートメント街。アパートメントと言えど、階のすべてがその家の敷地ですから、驚くほどの大きさです。

このアパートメントの内装やインテリアがとても見事なのです。またインテリアの色に合わせてでしょうか。ドレスであれ普段着であれ、登場人物の身に着ける洋服の色までもが、計算されたバランスで配置されているかのよう。映像全体の色彩が美しいのです。DVDなどでじっくり鑑賞する機会があれば、ユニークな筋書きと共に、インテリアや服の色にも注目することで、映画を二倍楽しめるでしょう。

エントランスやキッチンの壁紙はグレイッシュ・ブルー。光があたるとエメラルド・グリーンにも見えるのが素敵です。良く見ると、ゴージャスな唐草模様が白抜きでプリントされているのがわかります。エントランスやキッチンの「青」、リビングの「白」を背景として、「黄色」がもうひとつのベース・カラーとして多用されています。

カーテン、ソファ、クッションを使って、黄色が豊かなグラデーションで幾重にも重ねてられています。黄色ではなく、金色といってもいいかもしれません。光沢のある素材をところどころに上手に取り入れているので、部屋全体が金色に輝いているように見えるんですね。雇い主のマダムの金髪と意図的にリンクさせているかもしれません。邸宅を金色に輝かせることで、主人公のアニーが生まれ育った場所とは完全に別世界だ、という事実を表現しているとも思えます。

では、邸宅にいくつかあるベッドのうち、対照的な二つのベッドを見てみましょう。

2012年4月13日 / タグ:[ , ]