映画『若草物語』(その2)

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映画『若草物語』(その2)

映画『若草物語』(1949)には、ベッドの他に、もうひとつ注目したいアイテムがあります。

屋根裏部屋に綺麗に並べられた四つの宝箱です。
木製のどっしりした造りの箱で、箱のふたには、Meg、Joe、 Beth、Amyと各自の名前が記されています。
久しぶりに箱を開いたジョーは、平和で楽しかった少女時代を懐かしみ、涙を流します。
妹のベスの先が長くはないことを知り、物思いにふけっているのです。
姉の苦しい胸中に気が付いたベスは、「私は死は怖くない。でも、私の分も思い切り生きて欲しい」と姉に伝えます。
四つの宝箱の傍らで固く抱き合う姉妹の姿は、この映画でも最も忘れられないシーンのひとつです。

さて、その「宝箱」ですが、現代でも、Storage TrunkやBedroom Trunkと呼ばれ、海外のインテリア雑誌や、ドラマや映画の中で時々目にするものです。ベッドの足側に置き、その中に幼少時代からの思い出の品や宝物を入れて、一生を通じて大切にするのです。

映画では、姉妹が独立した後、四人分の宝箱をまとめて屋根裏部屋に収納している状態で映るのですが、きっと、彼女たちの少女時代にはそれそれのベッドの足元に置かれていたであろうことが想像されます。

宝箱の中には、お気に入りの人形や絵葉書、手紙など、一人一人の手で厳選されたものが残されているのです。この映画を見る度に、個人の名前が刻まれた木製の宝箱を羨ましく思うのです。

2012年5月19日 / タグ:[ , ]