姉と私の木製二段ベッド

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ベッドと私の楽しい関係

姉と私の木製二段ベッド

私の部屋には、木製の二段ベッドがあります。
それは、まだ私が小学生だったころから使っているもので、3歳上の姉と一緒でした。

当時、姉は4年生で、私はまだ小学校に入学したばかりでした。
すらりと背の高い姉は私の自慢で、その姉に似ても似付かない私は学年一のチビでした。

姉が二段ベッドの上で、私は下の段でした。
それは母が決めたことで、勿論、私たちの年齢や身長を考えた上でのことでした。

それなのに私は、どうしても上の段で寝たいと言い張りました。

泣き叫びながら、何度も階段を上っていくので、仕方なく姉は上の段を私に
譲ってくれたのでした。

でも、そうは言ったものの、実際に上の段で寝転んでみると、その高さに驚いて
体が震えました。

そうして今度は、どうしても姉にも上に来てほしいと、私はだだをこねたのです。
そんな自分勝手な振る舞いにも、姉は鷹揚に応えてくれました。

すぐに二段ベッドの上にのぼってきて、私と一緒に寝転んでくれたのです。
私はもう嬉しくて嬉しくて、はしゃぎ回っていました。

呆れた顔で眺める母を見下ろしながら、有頂天になって私が飛び跳ねていると、
母に叱られてしまいました。

それでも姉は、そんなわがままな私を、笑って見ていました。

私は二段ベッドの上で寝たかった訳ではなくて、ただ姉と一緒に寝転びたかっただけ
なのでした。

あれからもう、15年が過ぎました。
姉は嫁いで、来春には赤ちゃんが産まれます。

「その二段ベッド、わたしが貰うからね」
と、姉は冗談めいていいます。

そんなとき私は、「2人目が小学校に入ったらね」
と、言葉を返すのです。

そうすると姉は今度は、「男の子が2人かもしれないからなあ」
と、またまた冗談めいていうのです。

「そんな乱暴な子どもたちに、これはあげられないわ」
と、私はきっぱりと断ります。

「いつまでもそんな二段ベッドで寝ていないで、良いのを買いなさい」
姉は諭すようにいい、そこで私は返事ができなくなるのです。

いつまでも、この二段ベッドで寝ていたいと私は思うのです。

2011年12月28日 / タグ:[ , , ]