一日の締めくくりは照明付きベッドの中で

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ベッドと私の楽しい関係

一日の締めくくりは照明付きベッドの中で

私が一日の中で、いちばん楽しみにしているのは、照明付きベッドの中でした。
その日の仕事を無事に終えると、地下鉄に乗り、自宅までの薄暗い道のりを歩きます。

7時ごろに家に着くと、待っていたように玄関先で母が、「お帰り」と声を
掛けてくれます。

リビングに入ると、既に父は職場から帰っていて、ソファに座っています。
そして私の姿を見ると、「お帰り」と、立ち上がるのでした。

それから、3人でテーブルにつき、夕食が始まります。

私が、その日の職場での出来事などを話すと、両親は頷いたり、意見を挟んだりして、
いつのまにか夕食は終わります。

少しお酒の入った父が、私に、「先に風呂に入れ」と、促してきます。

私は「分かった」と返事をして、それでもそれから2時間ほどは、ソファに座って、
テレビを見ています。

父はまだ酔いが醒めないらしく、うとうととしています。
仕方なく私は、浴室に向かうのです。

そしてお風呂から上がると、いつの間にか目覚めた父が、母と話をしています。
お笑いのテレビ番組を観ながら、母と楽しそうに話をしています。

私は、階段をとんとんと上がって、自室に入ります。
ドライヤーで髪の毛を乾かして、そうして書棚から、お気に入りの文庫本を取り出すのです。

今夜はどの本にしようか…と迷うことも、私の楽しみの一つでした。
あの本も、この本も、既に何回も読んだことがある本ばかりでした。

それでも、同じ本を繰り返し読むと、また違った発見があるものです。
私は、書棚から、一冊の文庫本を取り出しました。

何故か今日は、その本を読んでみよう…という気になったのです。
その本を手に、私はベッドの中に入ります。

天蓋の照明スイッチを、指で押しました。
柔らかな日中の陽射しが、ぱあっと、枕元を照らします。

私は仰向けに寝転んで、その文庫本を開きました。
「やすらぎのとき」。その本の表紙には、そう書いてありました。

それでも、その作者は、ミステリーで有名な男性です。
いったいどんな物語が始まるのかと、私は、表紙を開きます。

一度読んだことがある筈なのに、わくわくとしてきました。
柔らかなベッドに包まれながら、私は物語の中へと導かれていくのです。

2012年1月29日 / タグ:[ , , ]