20色カラーのマットレスベッド(さくら)は春待ち月の色

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ベッドと私の楽しい関係

20色カラーのマットレスベッド(さくら)は春待ち月の色

20色カラーのマットレスベッドは、私の宝物です。
このベッドで眠ると、いろんな夢を見ることができるのです。

アイボリー、ミルキ―イエロー、オリーブグリーンにシルバーアッシュ。
どの色も、私の好きな色ばかりです。

そして、その夢も、私の大好きな夢ばかりでした。
その夜、私は、マットレスベッドのカバーを、〈さくら〉に変えました。

淡く暖かな、それでいて、まだ白に近い桃色。
それは、私が待ち望む、色でした。

私はベッドの中で、好きな絵本を読みました。
1冊をキチンを読み終えてから、毛布と掛け布団を引っぱって、目を閉じました。

しばらくすると、目の前が、ぱあーっと、明るくなってきました。
それは一面の、薄桃色の並木道でした。

私は、その並木道の真ん中を、ひとりで走り出します。
背中のランドセルが、カタカタと音をたてて、私の後を追いかけてきました。

「おーい、まってよ」更に後ろから、誰かの声も、追いかけてきます。
立ち止って振り返ると、それはケイタ君でした。

「いっしょに行こう」ケイタ君は、私の横に並ぶと、手を差し出してきました。
小さくて、ふわふわした、まっ白な手のひらでした。

「いや」何故か、私は、そういってしまいました。
本当は、手を繋ぎたかったのに、素直になれませんでした。

それなのに、ケイタ君は、手を出したまま、歩き始めます。
薄桃色の並木道を、私とケイタ君の2人で、歩きました。

私のランドセルと、ケイタ君のランドセルが、音楽のように、カタカタと音を鳴らします。
「ね、手つなごう」そういって、ケイタ君が、まっ白な手を大きく上にあげました。

その瞬間、モンシロチョウが、ふわふわと、空に舞い上がります。
「あっ!」私は、モンシロチョウに見惚れて、その場に立ち尽くしました。

ケイタ君が、私の手を、そっと握ってきました。
「一緒に行こう」今度は、素直に、頷くことができました。

ひらり、と、花びらが一枚、天から舞い落ちてきました。
春待ち月のモンシロチョウと、さくらの花びらも、手を繋いでいました。

2012年2月25日 / タグ:[ , , ]