収納式すのこペアベッドと私

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ベッドと私の楽しい関係

収納式すのこペアベッドと私

友人の美香は一人っ子です。
姉妹が欲しい、姉妹が欲しい…というのが口癖です。

で…その口癖を実現するために、美香は、わが家へやってきます。
金曜日の夜、両親に許可を貰って、わが家に泊まりに来るのでした。

わが家の母は、美香の母と友達です。
私と美香が知り合うずっとずっと以前からの、親友なのだそうです。

両親がそういう関係だったから、私と美香も知り合いました。

「親子で親友だなんて素敵ね」と、美香はいいますが、私は美香のことを親友だなんて
思ったことはありません。

私には5歳下の妹がいます。
両親が甘やかせたせいで、とても自分勝手です。

私が買ってきた、大好きな牛乳プリンを勝手に食べてしまいます。
ケーキだってクッキーだって、自分の物のように食べてしまうのです。

そんな妹と私は、妹が小学校に入学してからずっと、同じ部屋でした。

二段ベッドだとお姉ちゃんの顔が見えない…といって泣き出すので、両親が
収納式すのこペアベッドを購入しました。

収納式すのこペアベッドというのは、一つのベッドのすぐ下に、もう一つの
キャスター式ベッドが収納されているベッドのことです。

いつもはベッドが一つしかないように見えますが、夜になるとそのベッドを引き出してきて、
2人で眠ることが出来るという優れ物なのでした。

そんな泣き虫の妹も、やっと高校生になりました。
ようやく私は、プライバシーのある生活を取り戻すことが出来たのです。

それなのに、今度は美香が、私の部屋にやってきます。
だから私は、収納ベッドの上に、わざと書棚の本を敷き詰めておきました。

「入るわよ」いつものように、美香がやってきました。
私が返事をしないうちにドアを開け、部屋の中に入ってきました。

持ってきたパジャマに着替え、さっさと収納してあるベッドを引き出します。
たくさんの本に気付き、美香は「あらっ」と、驚きの声を上げました。

「私のために出しておいてくれたの」
美香は、並べた本の上に布団を敷き、横になりました。

敷き布団の下から1冊本を取り出して、ぱらぱらとページをめくります。
「ねえ、今日のお昼休みにね…」私の気持ちも知らないで、お喋りを始めるのでした。

2012年2月5日 / タグ:[ , , ]