TOP > ベッドスタイルコラム > ベッドと私の楽しい生活 > 収納付きベッドでお正月から幸運を!
私のベッドには、収納が付いています。
大きな木製の引き出しが二つ、マットレスの下にあるのです。
私は、そこに、お気に入りの衣類の数々を仕舞っています。
そうすると外出のとき、すぐにそれを取り出すことができるからでした。
お正月の3日、私は彼と少し遠くにある神社へ、初詣に行くことになっていました。
10時に家へ迎えに来ると、彼と約束をしていました。
だから私は、8時には起きて、洗面を済ませて食事をしました。
それからお化粧をして、年末に買い入れてあった洋服を探し始めたのですが、
見当たらないのです。
間違いなく、この引き出しの中に入れた筈でした。
絶対に?…と訊かれれば、100セント間違いないとは、言い切れませんでした。
しかし私には、このベッド下の引き出し以外には、思い当たる場所がないのです。
箪笥や、押し入れや、洋服ダンスや、いろいろなところを、探しました。
それでもその洋服は何処にもないのです。
「お母さん」と、私は、母に訊いてみました。
でも母から返ってきた返事は、「知らないわ」の一言でした。
仕方なく私は、必死で探し続けました。それでもありませんでした。
もう時間ギリギリです。私はいつもの洋服を取り出してきて、それを着ることに決めました。
本当なら、新しい洋服で、彼とお参りに行きたかったのです。
でももう、そんな悠長なことを言っている場合ではありません。
その洋服を着て、私は慌てて家の外へ出ました。
彼の車が走ってきます。私の前で停まり、そして走り出しました。
目的の神社は、恋人の聖地といわれている人気スポットです。
だから私は余計に、その服を着ていきたかったのでした。
彼が私を、じっと見つめています。しばらくのあいだ、黙り込んでいました。
私はもう息が止まってしまいそうでした。
車はぐんぐんスピードを上げていきます。
そして、彼が、もう一度わたしを見ました。
「君はその洋服が一番似合うね」その一言で、私の気分は一変しました。
きっと今日はこの服を着ることになっていたのだと、そう思いました。
でも、ということは、あのベッドに感謝しなければいけない……?
私は、心の中にベッドを思い浮かべて、「ありがとう」と呟きました。